131 寛永寺 清水観音堂(かんえいじ きよみずかんのんどう)

寛永寺 清水観音堂 ■
【所在地】東京都台東区
【山 号】東叡山
【宗 派】天台宗
【朱 印】(右)江戸三十三観音札所第六番
(中央)水観音堂
(左)東叡山清水観音堂
【墨 書】(右)奉拝 (中央)千手観世音 (左)東叡山清水堂
【参拝日】平成 25年10月1日




水観音堂の秘仏ご本尊は「盛久受難の身代わり観音」だそうです。
お堂の中に謡曲「盛久」の一場面が描かれた額が掲げられています。

謡曲「盛久」は平家が滅んだあと、頼朝側に捕らえられた平家の侍・盛久が処刑されそうになったところ、長年信仰していた京都の清水寺の観音様のご利益で命を救われるお話。処刑人の振り下ろそうとした刀が突然3つに折れてしまったのですね。

処刑前夜盛久の見た夢に、「香染の袈裟を懸け、水晶の数珠を爪繰り、鳩の杖をついた老僧」が現れて命の保証をしてくれた、ということなので3種の品物の中で唯一我が家にあった水晶の数珠を絵に描き添えました。

お堂には同じ平家の侍、景清の額もあります。こちらは捕らえられて厳重な牢に閉じ込められました。けれどやはり普段から信仰していた清水観音のご利益で手枷足枷は自然に外れ、牢の柱も抜けて牢は崩れ、その柱をブンブン振り回しながら見張りを追い払って逃げおおせたとのこと。額には確か、脱獄する景清の姿が描かれてたと思います。

この盛久と景清、2枚の額にまつわる物語の詳細を、私は「西国三十三所観音霊場記図会」という本の中の「十六番 山城国洛東清水寺」で読みました。


水観音堂の写真を探しましたがお堂の写真がなく、この画像しかありませんでした。